働く目的を明確にする

人が働く目的、これは深いテーマです。
ある調査では「お金のため」という回答が5割を超えているそうですが、労働の対価として賃金が支払われ、その賃金が労働の産物である財(とサービス)に換わり、生活を満遍なく満たしているのが大雑把に言って資本主義経済です。

つまり仕事という労働の対価としてお金(賃金)が支払われるのは当然で、なぜその仕事で賃金を得たいのかという、職業選択の問題が重要です。
転職とは、まさにこの職業選択に根ざす行動ですから、目的意識を失ってしまえば、それ自体すでに失敗していると考えることが出来ます。何の目的も持たずに適当に転職し、楽しい人生が実現するなんてことが仮あったとしても、それはやはり失敗と言えるのです。

目的を失った転職が失敗に終わるという事例は多いと思われます。というのも、転職の失敗事例の多くが、本人の目的意識の欠如と考えることが出来るからです。

例えばよくある事例で、考えていたものと職場環境や業務内容が大きく異なっていた、というのがあります。しかし、自分はどういった職場環境に身をおき、どんな業務内容を希望するのかという明確な目的意識があったなら、それについて納得がいくまで調査し、確認することを怠ったりはしないでしょうし、逆にそれを目的としないなら、そこに不満など起きようもなく、失敗するということも無いのです。

現状への不満を契機に転職をすることは良くありますが、単に今の環境から逃れたいという一時しのぎは概して上手くいかないものです。そこでもやはり「では、どうしたいのか」という目的意識を喚起する反問がなされておらず、根本的な問題の解決を棚上げにしているからです。仮に転職で変化した職場環境の目新しさのおかげで問題が露呈しないとしても、時間の経過とともに虫歯が悪化するがごとく、次第に同じ様な不満が増大していくでしょう。

では転職に際し、働く目的がおざなりになってしまうのはなぜでしょうか。ここに自己評価における客観性の欠如があります。というのも、現状の不遇の原因を現在の勤め先にばかり求め、それさえ変えれば全て上手くいくという根拠のない希望を持つ傾向は、自分の落ち度に目を向けず、もっと自分に見合った評価をしてくれる会社があるはずだと妄想を抱く人に共通しているからです。
働く目的を明確にすることとは、まず自分の足元を見つめ、そこから少し視線を上げて、世界全体をしっかりと見つめることなのです。